高校生のとき、スナックに行ってたオヤジから呼び出された。
「お前も歌ってみろ。」と言われて、渋々歌った。
歌い終わって席に戻ったとき、オヤジの渋い顔をみて価値観ができた。
僕は歌が上手くないんだ。
もう30年も前の話し。
今考えれば、カラオケなんて行ったことなかったし、人前で歌ったのは初めてだから、上手く歌えなくたってしょうがない。
でも当時はそう思えなかった。
それから、大学生、社会人、プライベートで、カラオケは最も行きたくない場所になった。
カラオケって不思議なもので、苦手と思う人にはトコトン楽しめない。
苦手だと、緊張する。
緊張すると、声が出ない。
声がでないと、歌える曲が少ない。
歌える曲が少ないと、自分の番が何度も回ってくるのが嫌で余計緊張する。
言い訳して自分の番を回避するのが精一杯だった。
今から2年前の45歳になったとき。
主夫になってから、カラオケの言葉を忘れるくらい縁が無くなっていた。
そんな時に、またあの苦痛な環境がやってきた。
僕がよく主催するパパ会の二次会でカラオケに行くようになった。
幹事だから参加しないわけにいかない。
最初は幹事ということで他の人に振ったりしていたけど、いよいよ歌わないとまずい雰囲気になってた。(今考えると、勝手に思ってただけど。。。)
ただ大学生、社会人時代とは違った。
なぜか「もう苦痛な時間をただ過ごすのは嫌だ。僕も歌えるようになりたい。」
と思った。
そして、なぜかカラオケ教室に通った。
体験レッスンは行く前から物凄く緊張した。
言われるままに歌ったけど、とにかく緊張して体が熱くなって汗びっしょりだった。
ただ歌っただけなのに、終わったときはヘトヘトだった。
それでも人って慣れるもんだな。
2、3ヶ月間通った頃には行くのが苦痛にはならなくなった。
いつの間にか声も出るようになって、今まで出なかった2,3上のキーまで歌えるようになっていた。
一人なら行ってみようかな。と思い。
カラオケに行ってみた。
カラオケ教室では、課題曲1曲を2、3ヶ月間ずっとやってるから、当然上手く歌える。
なんか楽しかった!
楽しいと、もっと歌える曲ってないのかな。って思ったりして、いろいろ調べたりもした。
自宅のある山梨のシダックスは、木曜日がメンズデーでカラオケ代は2時間無料。
ソフトドリンクを最初の30分つけても200円!!
毎週通うようになった。
カラオケの採点って、曲によって出やすい曲とそうでない曲があるけど、
自分に合ってる曲は90点が当たり前になった。
そして、秦基博のアイで「96点」が取れた!!!
カラオケの採点って、人が聞いて上手い!って思うのと、高得点はちょっと違うけど、それでもうれしかった。
点数をすぐにシャメして先生に送った。
褒めてもらえて凄くうれしかった!!
それからは、息子と息子の友達達を連れて行ったり、パパ会でも歌った。
いつの間にか「なお君はカラオケが上手いらしい。」と言われるようになっていた。
カラオケで苦痛だった30年ってなんだったんだろう。。。
二つ気がついた。
一つ目
本当の自分が歌が上手いか下手かとは別に、僕はオヤジの顔を見て「僕は歌が上手くないんだ」と言う価値観を持った。
「僕は歌が上手くないんだ。」という価値観が、「カラオケ」と聞くとお腹が重くなったり、緊張したり、嫌だな~って思わせた。
そして本当に歌を上手く歌えなくした。
でもそれは30年前にできた価値観で、本当の僕は歌は下手ではなかった。
無意識にあった価値観が歌を上手く歌えさせなかっただけ。
その価値観に気づいたら、その価値観はなくなった。
そして本来の歌が歌える本当の自分に戻った。
僕は価値観というプログラムに乗っ取られていた。
二つ目
30年間、カラオケは大嫌いだった。
嫌だから、いつも逃げていた。
避けていた。
でも30年間、何も変わらなかった。
そして嫌なことに立ち向かった。
そうしたら克服できた。
嫌な事はどんなに逃げても無くならない。
嫌なことは、嫌な事をやる事でした消えることはない。